どっかの馬鹿の妄想と生活と創作についての雑記。
∴ 私と数学と彼。 「いいじゃないか、お前の体で稼いだ金で姉にまともなものを食べられるようにしてやれば。姉に問題があるなら入院費も私が出そう。滞納分の授業料や修学旅行の積立金も。どうだ?」
私の言葉を聞いた彼は自分の数論に対する致命的な欠点を指摘された学者のように顔を強ばらせ、数学準備室を右往左往した。私がじっと彼の顔を見る程に彼は落ち着き無くし、口をパクパクと開いて何かを言いたげにした。 どうしたのかと私が聞くと彼は辛辣な表情で秋穂(あきほ)ちゃんに聞いたのかと言った。秋穂というのは彼にまとわりついている件(くだん)の女だった。異常なまでに弟を気にかけているあの姉にバレないように上手くやっていたのだが、あまりにも彼が鬱陶しいそうだったので私の口からそれとなく姉に伝えて妨害してやったことがある。騒ぎになったらしいが、彼の為を思えば致し方ないだろう。 私が何を、と彼に聞くと彼は口を結び、何でもないですと答えた。目は合わせない。 私はそこで遅まきながら彼の変数を見出した。つまり、彼にとって姉は泣き所なのだ。 今日はこれで、と帰ろうとする彼の肩を掴んだ。吹奏楽部の伴奏が遠くから聞こえる。琥珀色の夕日が眩しい。 肩から二の腕、そして腰へと手を滑らせて耳元で分かるよな、と囁く。続けて誰も言わない有無と金はしっかり支払うことも伝える。今まで出したことのないような優しい声色で甘く囁く。 稼いだ金で、姉にまともなものを食べさせてやればいいと言う。何を食べているか知らないし、考えればきっと分かることだろうが、今その場では全てを知っているかのように話しをした。 葛藤に葛藤を重ねた彼は歯を食いしばり、悔しそうに頷いた。 私はその日、自分の生徒の体を金で買った。 PR |
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幸せになりたいと思うけど、幸せを手に入れた瞬間、幸せを失うことを意識しなければならない。いつか消えてしまうことに怯えなければならない。だったらずっと不幸のままでいい。
あとネットで小説とか書いてます。ヤンデレとか好きです。
∴ プロフィール
HN:
鬱
年齢:
125
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1900/06/07
職業:
ニート→ライター(笑)→ニート
趣味:
読書、アニメ、映画鑑賞、引きこもること
自己紹介:
幸福論でいけば確実に不幸な人間です。それに加えて変人です。自分ではそうは思わないのですが、みんなが口を揃えて変人というので多分そうです。人間関係苦手です。そんな名古屋人。
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