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どっかの馬鹿の妄想と生活と創作についての雑記。
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雨の中、歯を食いしばりながら自転車をこぎつつ、お店に到着した私は、店長に言われた挨拶をみんなにした。

「~~ですっ!」と私。
「あ、ちわー」
「こんにちはー」
「あ、こ、こんにちは……?」
誰もその挨拶を使わなかった。
規則だとか決まりとかいっていたような……。

私は客のいない店内を横目に通り過ぎつつ、店の事務室に入った。中には知らない男。
服装と光のないどろっとした目から「ああ、きっと責任者なんだろうな」と思った私は声をかけ、自己紹介をした。
男は笑わず「ああ、今日から来てくれることになった~~さんだね」といった。私は彼(厨房主任)と当たり障りの無い会話をした。着替え室で誰かが着替えている衣擦れの音がした。

厨房主任に連れられ、店の仲間たち(笑)に自己紹介をし、部屋で待機するように言われた私はぼうっと時間を潰していると茶髪に染めた背の高い男が着替え室から出てきた。
さっそくとばかりに挨拶。
「あ、本日からお世話になります。~~です。よろしくお願いします」
「あ、よろしく。君いくつ」
「え、あー、ハタチです」
「あ、マジで? 俺とタメじゃん」
「そうなんですか」
「うん、君学校どこいってんの」
「私はその……フリーターで」
「え?」
「フリーター」
「あ、そう……」
若干気まずい小さな部屋。フリーターの何かがいけないんだ今日本じゃニートの数が云々と思いつつも、着替の部屋に逃げ込み、制服を着た。後から別の女性がやってきたものの話題についていけず、物置とかした私はアウェイな感じにただ沈黙してニコニコ笑うしかすることはありませんでした。

ホールの仕事は精神的に不可能なので裏方としてキッチンの仕事をやることになった私。
とりあえず最初は皿洗いからということで、いろいろ教えて貰う。基本は酷い汚れは洗い、そうでないものはそのまま業務用の食器洗い機にぶち込むとのことだった。

私の指導係に任された男は先ほどの茶髪。店が暇なせいか、本来客に出すべきだろうケーキやジュースを食いつつの指導だった。
「んじゃ、さっそく自分でやってみて。わからんかったら聞きにきてくれていいから」
「あ、はい」
フィーリングが大事な職場らしい。しょっぱなから私に放り投げるとはワシを殺すきか。表面上はクールですけど、内面はどす黒いオーラがせめぎあい、緊張と汗と不安が以下略。
というか定員が全員がケーキとか食ってるけどいいのだろうか。いや、私もパイナップルジュースとマンゴープリンを頂いた身なのですけども。

一年は続けたいと思った私の心は三ヶ月に短縮されたのでした。
あと厨房主任が「俺の作ったスパゲッティなんで残してるんだよ……」と悲しそうだったのには萌えた。そして茶髪が「マズイからっすよ」と笑いながらいったのが怖かった。
茶髪x主任は間違いない。

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幸せになりたいと思うけど、幸せを手に入れた瞬間、幸せを失うことを意識しなければならない。いつか消えてしまうことに怯えなければならない。だったらずっと不幸のままでいい。
あとネットで小説とか書いてます。ヤンデレとか好きです。
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非公開
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1900/06/07
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ニート→ライター(笑)→ニート
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幸福論でいけば確実に不幸な人間です。それに加えて変人です。自分ではそうは思わないのですが、みんなが口を揃えて変人というので多分そうです。人間関係苦手です。そんな名古屋人。
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